平成21年10月27日(火)午後2時〜  於 テレビ朝日社友会事務局

 台風一過の秋晴れの午後、六本木ヒルズ16階の窓から眺める高層ビルの 風景は前日の大雨に洗われたせいか、何時もより美しく輝いて見えました。
 今回は出席者3名、欠席投句5名と些か淋しい句会となりましたが、お寄せ戴いた三十句をめぐり談論風発愉しいひと時を過しました。

 出席者  土井 隆、碓氷 夕焼、青木 克博
 欠席投句者 笠原 明、橋本 潔、吉川 尚郎、伊藤 照彦、長谷川 和生

二点句

色艶を余して散りぬ柿落葉        隆

秋霖やしばらく人に逢う日なく     夕焼

秋麗ら三科六薬医家廻り         明

秋雨を弾く紫紺や旬の茄子       尚郎

柿一つ愚陀仏庵に置いて遣る      和生

コスモスの風や人声はるかにす      潔 


一点句

秋蝶の渡り廊下や高台寺         隆

不揃いが格好良く見ゆ路地の芋      隆

ちぎれ雲追いし日もあり蕎麦の花     隆

鳥渡り終えたる空の広さかな      克博

今日よりは止まり木となり枯芙蓉    克博

さればとて行くあてもなし神の留守   克博

金波銀波入日と遊ぶすすきかな     夕焼

雲幾重妙高戸隠烏瓜           潔

末枯れの沈船の砂州先細る        潔

葡萄棚行き着く先にワイン蔵      尚郎

ひやおろし薀蓄を利くカウンター    和生

土方(ひじかた)が通いし古道の彼岸花 照彦


無点句

オリオンの流星群や新老人        隆

紅葉道わらべ唄など口ずさむ      夕焼

宵闇やかのひともまた冥界に      夕焼

サンマ焼く昭和の匂い残る露地     夕焼

鳥渡る渡らぬ鳥の眠る間に       克博

子雀や今日は一茶の忌なるぞ      克博

洗濯機ききつつ大根すりおろす     和生

キンモクセイ香りを借りて放屁せり   照彦

病室の窓辺にススキ月を待つ      照彦

実る秋リーマンショックまだ癒えず    明

盆荒や割れて砕けて五百重波       明

秋晴れやゴールドネクタイ新総理    尚郎

以上30句です。誤植などありましたらご指摘ください。
次の句会は来年春か初夏の予定です。ご出席を心よりお待ち申しあげます。

   平成21年11月吉日        

酔句会 世話人     青木 克博